7 Days to Die(以下、7DTD)のマルチプレイ用サーバーを Windows で設定・構築する手順についてご紹介させていただきます。仲間内で楽しくマルチプレイできるようになりますので、作り方の参考になれば幸いです。
なお、Linux での構築方法については、以下の記事もご参照ください。
【7 Days to Die】マルチプレイサーバーを構築する
【7 Days to
Die】マルチプレイサーバーを構築する(ConoHa編)
目次
7 Days to Die とは
「7 Days to Die(7DTD)」は、核戦争で荒廃したゾンビ化するウイルスが蔓延した世界で、生き残りをかけて戦うオンラインマルチプレイ対応のサバイバルゲームです。
ざっくりと説明すると、マインクラフト(Minecraft)のクラフト要素をよりリアルにして、ゾンビとの戦闘要素が加わったようなゲームになります。
このゲームの目的は「とにかく生き残る」ことです。
7DTD の世界ではいたるところにゾンビが徘徊しており、プレイヤーを襲ってきます。世界に残されている限られた資源を回収しつつ、武器や防具、拠点などをクラフトによって充実させ、襲ってくるゾンビを倒しながら生き残る必要があります。
また、襲撃してくるゾンビを倒すだけでなく、空腹や脱水、感染症、骨折などの様々な状態異常にも対処が必要です。
このゲームの特徴として、7日に一度の夜、「フェラル・ホード」と呼ばれる現象が発生します。プレイヤーがどこに隠れていても敵に探知される状況下で、大量発生したゾンビがプレイヤーに怒涛の勢いで襲い掛かってきます。
プレイヤーは装備や拠点を整備し、7日ごとに訪れるこの「フェラル・ホード」を乗り越える準備をしなければなりません。
ゾンビ自体の体力も高く、一筋縄では生き残れないため、仲間との協力は非常に重要です。仲間と連携してゾンビを倒し、装備を充実させ、「フェラル・ホード」を無事乗り切った時に味わう仲間との達成感は、このゲームならではだと思います。
マルチプレイサーバーとは
ローカルで 1人でプレイすることもできますが、共用のサーバーを用意してそこにみんなでゲームクライアントから接続すれば、同じ世界で一緒にプレイすることができます。
公開されているマルチプレイサーバーもありますが、そういったサーバーではマナーの悪いプレイヤーに困らされる可能性も考えられます。
専用のマルチプレイサーバーを用意することで、マナーの悪いプレイヤーから解放され、仲間内で楽しく遊べるようになります。
また、仲間との遊び方に合わせて難易度などの設定を細かく変えられる点もメリットの 1つです。
マルチプレイサーバーを立てるまでの大きな流れ
サーバーをレンタルして 7DTD のサーバプログラムを動かす場合、大きくは以下の流れとなります。
- サーバ(VPS:仮想プライベートサーバ)をレンタルする
- サーバに 7DTD のサーバプログラムをインストールする
サーバーのレンタル申し込みから 7DTD のサーバプログラムのインストール、起動までスムーズにいけば 1時間も掛かりません。
VPSサービス
私は以下の VPSサービスでレンタルしたサーバで問題なく遊べることを確認しています。
さくらのVPS の場合、クレジットカード決済であればお試し期間として 2週間は無料でサーバが使えます。お試し期間中であれば申し込みをキャンセルすることができますので、サーバが急きょ必要なくなったり、うまく構築できなかった時にも安心です。ただし、お試し期間が過ぎると最低利用期間(3ヶ月)が設けられていますので、途中で解約ができません。
一方、ConoHa には無料期間はありませんが、時間単位の課金なので解約した場合の出費が最小限に抑えられます。途中解約する可能性があるなら、ConoHa が無難だと思います。
上記の VPS を選んだのは以下の理由からです。
- 実装メモリが少ない場合、ハードディスクを仮想的なメモリとして使う必要があるため、ハードディスクに高速な SSD を採用していることが必要
- 通信量の制限がない
契約プラン
7DTD の公式ページの情報によるとサーバープログラムの必要最低メモリは 8GB です。
Linuxサーバで試した時は 2GB のプランにして、不足分を仮想メモリ(ハードディスク)で補う形で一応問題なく遊べました。
しかしながら、Windowsサーバの場合は OS の動作が重たいので、 4GB以上のプランが安定はするような気もします。
メモリプラン | CPU | ディスク 容量 |
料金 |
---|---|---|---|
1GB | 仮想2Core | SSD 50GB | 月額 1,100円~ |
2GB | 仮想3Core | SSD 100GB | 月額 2,200円~ |
4GB | 仮想4Core | SSD 200GB | 月額 4,290円~ |
8GB | 仮想6Core | SSD 400GB | 月額 8,470円~ |
16GB | 仮想8Core | SSD 800GB | 月額 15,950円~ |
32GB | 仮想10Core | SSD 1600GB | 月額 32,340円~ |
サーバプログラムのセットアップ
1.サーバに接続
7DTD のサーバプログラムをセットアップするために、レンタルしたサーバに接続します。
リモートデスクトップでレンタルしたサーバに接続(ログオン)するか、VPSサービス側が提供しているコンソールの機能でサーバのデスクトップを開きます。
参考:コンソールの開き方
さくらのVPS:https://manual.sakura.ad.jp/vps/server/console.html
ConoHa:https://support.conoha.jp/v/console/
2.仮想メモリ(swap領域)の拡張
7DTD のサーバプログラムは最低でも 8GB のメモリを必要とするとのことです。メモリ 2GB のプランでは足りないため、ハードディスクの領域を仮想的なメモリとして割り当てます。
※8GB 以上の十分なメモリを持ったマシンであれば、この操作は不要です。
コントロールパネルの [システム] を開く
「Windowsキー」+「Pauseキー」のショートカットキーでも開けます。
[システムの詳細設定] を開く
[詳細設定] タブの [パフォーマンス]→[設定] をクリック

[詳細設定] タブの [仮想メモリ]→[変更] をクリック

[すべてのドライブのページファイルのサイズを自動的に管理する] の選択を解除
[カスタムサイズ] を選択し、初期サイズと最大サイズを入力して [設定] をクリック後、[OK] をクリック
例では 10GB(10240 MB)のディスク領域を仮想メモリとして割り当てています。

設定完了後、再起動を促すダイアログが表示されますので、[今すぐ再起動する] をクリックするか、手動で OS の再起動を行います。
3.サーバプログラムのインストール
まず、SteamCMD というプログラムをダウンロードします。その後、SteamCMD を使って 7DTD のサーバプログラムを Steam からインストールします。
SteamCMD をダウンロードするフォルダを作成
例では、Cドライブ直下に「SteamCMD」というフォルダを作成しています。
SteamCMD をダウンロード
ブラウザに以下の URL を入力し、SteamCMD を先ほど作成したフォルダにダウンロードします。
https://steamcdn-a.akamaihd.net/client/installer/steamcmd.zip
なお、Windows のサーバOS では Internet Explorer のセキュリティが高く設定されているため、以下の画像のようなポップアップが表示されます。[追加] ボタンをクリックして信頼済みサイトに対象ホストを追加してから、[閉じる] ボタンをクリックしてください。後ほど DirectX のランタイムをダウンロードする際にも同じメッセージが多く表示されますので、同様に信頼済みサイトに追加します。
SteamCMD を展開
ダウンロードした steamcmd.zip を右クリックして中身のファイルを展開します。
コマンドプロンプトを開く
「Windowsキー」+「Rキー」のショートカットキーで [ファイル名を指定して実行] ダイアログを表示する。
その後、テキストボックスに「cmd」と入力し、 [OK] を選択する。
SteamCMD の展開先フォルダに移動
>cd C:\SteamCMD\steamcmd
SteamCMD を実行
>steamcmd
7DTD のサーバプログラムのインストール先ディレクトリを設定
Steam>force_install_dir c:\Steam\Game\7DTD\
インストール先のパスはお好みで変更してください。
匿名ユーザとしてログイン
Steam>login anonymous
7DTD のサーバプログラムをダウンロード
Steam>app_update 294420 validate
validate はダウンロードしたファイルが正常かどうかチェックしてくれるオプションです。チェックには時間が掛かりますので、お急ぎの場合はこのオプションは削ってください。
「294420」は Steam で管理されている 7DTD のサーバプログラムの ID を示しています。
SteamCMD を終了
Steam>exit
4.C++ ランタイムのインストール
以下のページから C++ ランタイムのインストーラをダウンロードし、インストールします。
サポートされている最新の Visual C++ 再頒布可能パッケージのダウンロード
5.設定の編集
設定をエディタで編集
テキストエディタ(notepad等)で以下の設定ファイルを編集します。
<7DTDのインストールフォルダ>\serverconfig.xml
例:
c:\Steam\Game\7DTD\serverconfig.xml
遊び方に合わせて細かい設定は好みで変えていただければと思いますが、最低限必要となる設定について以下に記載します。
以下のような形式で設定が記載されていますので、value="XXX" という部分の XXX の値を変更してください。
<property name="ServerName" value="XXX"/>
項目 | 説明 |
---|---|
ServerName | サーバーリストに表示されるサーバー名です。一緒に遊ぶ仲間に分かりやすい名前を付けてください。 |
ServerPassword | サーバーにゲームクライアントから接続するためのパスワードです。プレイする時に必須になりますので、一緒に遊ぶ仲間にも伝えてください。 |
ControlPanelEnabled | サーバーのログを確認したり、サーバープログラムを停止したりできる Webページのコントロールパネルの有効/無効を設定します。サーバーに SSH やコンソールで接続しなくても、ブラウザからリモートで管理できるようになるため、便利です。初期設定では false(無効)となっていますので、使う予定があれば true(有効)にしておきましょう。 |
ControlPanelPassword | コントロールパネルにログインするためのパスワードを設定します。コントロールパネルを使う場合は設定しておきましょう。なお、プレイには必要ありませんので、仲間に伝える必要はありません。 |
その他の設定については、以下の wiki が参考になります。
7 Days to Die Japan Wiki*
6.接続ポートの開放
7DTD では以下のポートを外部との通信に使います。外部からサーバの以下のポートに対して通信が可能となるように、許可設定を行います。
- 26900/udp
- 26901/udp
- 26902/udp
- 8080/tcp ※管理用のコントロールパネルを有効にした場合
- 8081/tcp ※Telnet を有効にした場合
ゲームに必要なポート開放の手順については本記事でご紹介していますが、一般的なセキュリティ対策として実施しておきたい Windowsファイアウォールの設定について以下の記事でご紹介していますので、そちらもできれば実施してください。
VPSを借りたら絶対にやっておきたいWindowsファイアウォールの設定
Windowsファイアウォールの設定画面を開く
「Windowsキー」+「Rキー」のショートカットキーで [ファイル名を指定して実行] ダイアログを表示する。
その後、テキストボックスに「wf.msc」と入力し、 [OK] を選択する。
[受信の規則] で [新しい規則] を選択
ポートの通信許可設定を追加
tcpポートと udpポートの許可設定は分けて登録する必要があります。そのため、2回に分けて設定を登録します。
まず、udpポートに関する設定を登録します。
同様に tcpポートの関する設定を登録します。ただし、コントロールパネル(tcp 8080番ポート)を使わないなど、外部から tcpポートに対して通信を受け付ける必要がなければ、tcpポートの許可設定は不要です。
7.サーバプログラムの起動
7DTD のサーバプログラムを起動
あらかじめ用意されているサーバ起動用のバッチファイルをダブルクリックで実行します。
<7DTDのインストールフォルダ>\startdedicated.bat
例:
c:\Steam\Game\7DTD\startdedicated.bat
サーバプログラムの起動確認
以下のようなメッセージが表示されることを確認します。
20XX-XX-XXTXX:XX:XX 99.789 INF StartGame done
20XX-XX-XXTXX:XX:XX 99.797 INF [Steamworks.NET] GameServer.Init successful
20XX-XX-XXTXX:XX:XX 99.805 INF [Steamworks.NET] Making server public
20XX-XX-XXTXX:XX:XX 101.246 INF [Steamworks.NET] GameServer.LogOn successful, SteamID=XXXXXXXXXXXXXXXXX, public
IP=XX*.X*.X*.X*
なお、以下のような画面が残って表示されますが、何かキーを押せば閉じます。この画面はサーバプログラムの起動完了を待たずに閉じて問題ありません。
以上でサーバ側の準備は完了です。
ゲームクライアントからマルチプレイサーバに接続してプレイするには
7DTD を起動し、タイトル画面で [ゲームに参加] を選択します。
サーバーを公開している場合
テキストボックスにサーバー名を入力して表示されるサーバーを絞り込み、クリックして選択状態にします。
[接続] ボタンを選択します。
パスワードを入力し、[送信] ボタンを選択します。
サーバーを非公開にしている場合
画面下にある [IPに接続しています...] を選択します。
IPアドレスとポート番号(※変更していれば)を入力し、[接続] を選択します。
以上でゲームへの接続は完了です。
サーバプログラムを終了するには
サーバープログラムを終了するには、コントロールパネルを使うか、Telnet で接続してコマンドを入力します。
手動でサーバープログラムを終了させずに OS をシャットダウンしてしまうとデータが破損する可能性がありますので、必ず正規の手順でサーバープログラムを停止させてください。
コントロールパネルから終了する場合
ブラウザで以下の URL にアクセスします。
http://<サーバーのIPアドレス>:8080/
ログイン画面が表示されるので、設定ファイルに記載したコントロールパネル用のパスワード(※)でログインします。
※serverconfig.xml の ControlPanelPassword に記載したパスワード
[Shut Down] ボタンをクリックします。
Telnet で接続して終了する場合
サーバー側でコマンドプロンプトを開き、以下の telnet コマンドで接続します。
> telnet localhost 8081
telnet による接続受付(TelnetEnabled)は初期設定で有効(true)になっています。ただし、パスワード(TelnetPassword)を設定していないと、ローカルからの接続しか受け付けないようになっています。リモートで接続したい場合はパスワードを設定してください。
8081 は初期設定のポート番号です。serverconfig.xml の TelnetPort の設定を変更している場合、設定したポート番号にアクセスしてください。
telnet は Windows の初期インストール状態では無効化されており、使用するには手動で有効化する必要があります。有効化方法についてはインターネットで検索すれば見つかります。時間があれば、記事にしたいと思います。
shutdown コマンドを入力します。
shutdown
最後に
マルチプレイサーバーの構築はそれほど難しい作業ではありません。
さくらのVPS であればお試し期間中に申込のキャンセルもできますので、興味があるけどうまく構築できるか不安、という方は実際にサーバー構築を試してみてからキャンセルを検討するのも良いかと思います。
それではゾンビとの騒がしい生活を仲間とゆっくりお楽しみください。
皮脂や唾、手垢、汗などで表面は見えない雑菌だらけです。 衛生上も問題ですし、気持ち良く使うためにも、こまめに拭きとってキレイにしましょう。