Logicool(ロジクール)のゲーミングマウスでは Lua というスクリプト言語を使ってマクロを作成し、自動的な操作を実現することができます。
ボタン 1 つ押すだけで複雑な操作が自動で行えるようになり、仕事やゲームなどで定型的な操作を効率良く楽に行えるようになります。
本記事ではマクロを作成するためのエディタの起動と初期表示コードの解説を行います。
目次
マクロについて
Logicool のゲーミングマウスで自動的な操作を実現するには以下の 2 つの方法があります。
- 連続した複数キーの入力をあらかじめ定義しておき、マウスのボタンが押された時に呼び出す(マルチキー機能)
- スクリプト言語を使ってマウスやキー操作をプログラムする
本記事でご紹介するのは後者のスクリプト言語を使ってマクロを作成する方法です。
マクロを使うために必要なもの
スクリプト言語で作成されたマクロを使うには Logicool のゲーミングマウスが必要になります。
また、マクロを作成するためには『Logicoolゲームソフトウェア』というソフトウェアのインストールが必要となります。ダウンロード・インストールは無料です。
Logicool のダウンロードページへのリンク
スクリプトエディタの起動
プログラムコードを記述するエディタを起動するにはまず『Logicoolゲームソフトウェア』を起動します。 ホーム画面が表示されるので「ボタンのカスタマイズ」アイコンをクリックします。

画面上部に表示されているプロファイルの一覧から使用するプロファイルを右クリックし、[スクリプト] を選択するとスクリプトエディタが起動します。
※プロファイルとはボタン設定やスクリプトなどの情報をセットで保存したものです。プロファイルを切り替えることで、プログラムやゲーム、場面などに応じたボタン設定やスクリプトに切り替えることができます。

スクリプトエディタの見方
スクリプトエディタはコードを記述する画面(画面上部)とメッセージが出力される画面(画面下部)に別れます。

初期コードの解説
スクリプトエディタを起動すると以下のようなコードが表示されます。
function OnEvent(event, arg)
OutputLogMessage("event = %s, arg = %s\n", event, arg)
end
マクロは Lua というスクリプト言語で記述されます。
function と end で囲まれた範囲(1 行目から 3 行目)は関数と呼ばれ、複数の命令を 1 まとめにしたものです。よく使う命令の塊を関数としてあらかじめ定義しておけば、同じ命令文を記述しなくても関数を呼び出すだけで同じ処理を実行することができます。
関数は以下のようなフォーマットで記述されます。
function 関数名( パラメータ1, パラメータ2, ・・・ )
命令
end
「関数名」は関数を呼び出す時に指定する名前です。
「パラメータ」は関数が呼び出される時に呼び出し元から渡される情報で、処理に必要な情報が入っています。
1 行目 : function OnEvent(event, arg)
OnEvent 関数はマウスのボタンが押されたり離された時などに呼び出される関数です。
event パラメータにはボタンが押された(MOUSE_BUTTON_PRESSED)、またはボタンが離された(MOUSE_BUTTON_RELEASED)ことを示す情報が入っています。
arg パラメータにはイベントが発生した(押されたり離されたりした)ボタンを識別する番号が入っています。
本関数が呼び出された時に押された/離されたボタンの番号をチェックし、意図したボタンであれば特定のキー操作やマウス操作を実行する、というプログラムを記述していくことになります。そのため、本関数はスクリプトによるマクロ作成の必須の関数となります。
2 行目 : OutputLogMessage("event = %s, arg = %s\n", event, arg)
OutputLogMessage という関数を呼び出し、event と arg パラメータの内容を出力ウィンドウに表示しています。
OutputLogMessage 関数の 1 つめのパラメータ「"event = %s, arg = %s\n"」では出力ウィンドウに表示する文字列を指定しています。「%s」と書くと 2 番目以降で指定したパラメータの内容で置き換えて表示することができます。
したがって、2, 3 番目に指定されている event と arg パラメータの内容が「%s」の代わりに出力ウィンドウに表示されます。
なお、「\n」は改行文字を表します。
-
左ボタンを押した場合
event = MOUSE_BUTTON_PRESSED, arg = 1
-
左ボタンを離した場合
event = MOUSE_BUTTON_RELEASED, arg = 1
-
右クリックした場合 ※右ボタンを押して離すことと同じ
event = MOUSE_BUTTON_PRESSED, arg = 2
event = MOUSE_BUTTON_RELEASED, arg = 2

上記の出力例では左ボタンの番号が 1、右ボタンの番号は 2 であることが分かります。
ボタンの番号を確認したい時によく使う命令なので覚えておきましょう。
まとめ
- マクロにはマルチキー機能とスクリプトの 2 種類がある
- スクリプトを使うにはゲーミングマウスと Logicoolゲームソフトウェア(無料)が必要
- スクリプトのエディタを起動するには Logicoolゲームソフトウェアでプロファイルを右クリックして [スクリプト] を選択
- function と end で囲まれた命令のかたまりを関数と呼ぶ
- マウスのボタンを押す(または離す)と OnEvent 関数が呼び出される
次回はスクリプトでマクロを作成する上での基本的なコードを解説したいと思います。
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